落胆した二人の信徒に現れる(２)

――――――――――――――聖書の節（回復訳）――――――――――――
ルカ24:27　そして、モーセとすべての預言者たちから初めて、聖書全体にわた
り、ご自身についての事柄を解き明かされた。(28節)やがて彼らは目指す村に近
づいたが、イエスはさらに先へ行かれる様子であった。(29節)そこで、彼らはイ
エスを無理に引き止めて言った、「わたしたちと一緒にお泊りください。夕方に
なり、日もすでに傾いています」。そこでイエスは、彼らと一緒に泊まるために、
入って行かれた。(30節)それからイエスは彼らと一緒に食卓に着いて、パンを取
り、それを祝福してさいてから、彼らに渡された。(31節)その時、彼らの目が開
かれて、イエスであることがわかった。すると、イエスは彼らから見えなくなっ
た。(32節)彼らは互いに言った、「彼が道でわたしたちに語りかけて、聖書を開
いてくださっていた時、心が内側で燃えたではないか？」。

―――――――――――――――務めの言葉―――――――――――――――
（全２編のうちの第２編）
主はまた彼らの目を開く目的のために、彼らの所に来られました。救い主は彼ら
と共に歩かれ(15節)、彼らと共に滞在されました(29節)。しかし、彼らがパンを
彼にささげ、そして彼がそれをさかれた時、はじめて彼らの目は開かれて、彼を
認めました。彼らは、主が彼らと共に歩いてくださり、彼らと共に滞在してくだ
さることを必要としました。しかし主は、彼らがそのパンを主にささげることを
必要としました。それによって、主はそれをさき、彼らの目を開いて、主を見さ
せることができました。いったん彼らの目が開かれると、彼らは主を認めました。

二人の弟子たちの目が開かれて、彼らが主を認めるやいなや、「彼は彼らから見
えなくなった」。ここのギリシャ語は文字どおりには、「彼は彼らの目には見え
なくなった」を意味します。救い主は依然として彼らと共におられました。彼は
彼らから去られたのではありません。ただ目に見えなくなられただけです。ルカ
による福音書は、主イエスが去って行かれたとは言っていません。そうではなく、
ルカによる福音書は、主が見えなくなったとわたしたちに告げています。見えな
くなるとは、去って行くことと同じではありません。ここでの見えなくなること
は、隠れる方法によるものです。主は二人の弟子たちから離れませんでした。主
はただご自身の臨在を目に見えなくされたのです。初めは、主の臨在は目に見え
ました。それから、それは目に見えなくなったのです。人・救い主の臨在が目に
見えなくなった時、主は消えました。しかし、主の臨在が目に見えるようになる
と、主は現れました。

キリストはもはや肉体の中にはおられません。復活において、彼は霊なるキリス
ト、すなわち、その霊と成られました。それにもかかわらず、彼は依然として一
つの体を持っておられます。わたしたちは、その霊がどうして体を持つことがで
きるのかわかりません。第24章13節から35節の二人の弟子たちは、その旅で多く
の事を学びました。彼らは、朝まで待ってからエルサレムに引き返したのではあ
りませんでした。「彼らはすぐに立ち上がり、エルサレムに引き返し」、そして
「途中で起こった事と、イエスがパンをさかれた時、どのようにご自身を自分た
ちに知らせられたかを話した」のです(33, 35節)。彼らは落胆してエルサレムを
離れました。しかし、彼らは大いに励まされて引き返したのでした。
 
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新約聖書の節は、回復訳新約聖書(1996年版)から引用されており、務めの言葉は、
ウイットネス・リー著「ライフスタディ・ルカの福音書(四)」(1988年版)メッセ
ージ54から引用されています。いずれも日本福音書房から出版されています。