神、人、サタンが主の死に対して働く ――――――――――――――聖書の節(回復訳)―――――――――――― ルカ22:1 さて、過越と呼ばれる種なしパンの祭りが近づいていた。(2節)祭司 長たちや聖書学者たちは、イエスを殺す方法を捜し求めていた。彼らは民衆を恐 れていたからである。(3節)この時サタンが、十二人の一人で、イスカリオテと 呼ばれるユダの中に入った。(4節)彼は出て行って、祭司長たちや守衛長たちと、 どのようにしてイエスを彼らに引き渡すかについて相談した。 ―――――――――――――――務めの言葉――――――――――――――― 主がご自身の死のために、ご自身と弟子たちの両方を準備しておられた間、反対 者たち、すなわち、ユダヤ人社会における指導者たちは、主を捕らえて死に渡そ うとする機会を伺うのに忙しくしていました。主の主権はここで行使されました。 なぜなら、これは、メシヤが断たれなければならなかった年、すなわち、救い主 が死ななければならない、あらかじめ定められた年であったからです。御子は死 ぬためにご自身を準備されました。その霊と御父もまた共に働いて、その環境を 用意しました。それは御子が、まさに旧約において預言され予表されたことにし たがって、十字架上で死ぬためでした。 ルカによる福音書第22章でわたしたちは見ますが、人・救い主が死ぬためにご自 身を準備しておられた間、反対者たちは自分たちの陰謀、悪だくみのことで忙し くしていました。それと同時に、神の敵であるサタンもまた忙しくしていました。 特にサタンは、人・救い主によって任命された十二使徒のうちの一人であるイス カリオテのユダを活発に用いていました。サタンは、主イエスを裏切るようユダ を扇動しました。サタンは、主を殺そうとしていた人たちの手に主を渡す機会を ねらおうとする考えを、ユダの中に注入しました。ですから、この章でわたした ちは、敵対者たちの陰謀とサタンの働きとの両方を見ます。一方で、「祭司長た ちや聖書学者たちは、イエスを殺す方法を捜し求めていた」(2節)。他方で、 「この時サタンが、十二人の一人で、イスカリオテと呼ばれるユダの中に入った。 彼は出て行って、祭司長たちや守衛長たちと、どのようにしてイエスを彼らに引 き渡すかについて相談した」(3-4節)のです。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 新約聖書の節は、回復訳新約聖書(1996年版)から引用されており、務めの言葉は、 ウイットネス・リー著「ライフスタディ・ルカの福音書(四)」(1988年版)メッセ ージ49から引用されています。いずれも日本福音書房から出版されています。