あわれみにおいて、主は死人を復活させた ――――――――――――――聖書の節(回復訳)―――――――――――― ルカ7:12 イエスがその町の門に近づかれた時、見よ、ある母親の一人息子が死 んだので、運び出されるところであった。彼女はやもめであった。その町の大勢 の群衆が、彼女に付き添っていた。(13節)主は彼女を見て、深くあわれみ、彼女 に「泣くことはない」と言われた。(14節)イエスは近づいて、その棺に触られた。 すると、それを運んでいる者たちは立ち止まった。そこで彼は言われた、「若者 よ、わたしはあなたに言う。起きなさい」。(15節)すると、その死人は起き上が って、ものを言い始めた。イエスは彼を母親に渡された。 ―――――――――――――――務めの言葉――――――――――――――― この事例は、その悲惨さにおいて類のないものでした。一人のやもめの一人息子 が棺に納められて運ばれていました。はじめに彼女は夫を失い、今や彼女は自分 の一人息子を失ったのです。救い主のあわれみもまた、その愛する同情において 比類のないものでした。彼はそうすることを求められもしなかったのに、自ら進 んで、その優しいあわれみの中で、そのやもめの息子を死から復活させるため、 ご自身の復活の力を行使されました。これは、失われた罪人たちを救うために来 られるという彼の唯一の使命を示しています(19:10)。また、罪人を救う際の人 ・救い主の高い道徳水準を見せています。 人・救い主はそのあわれみにおいて、やもめに語りかけ、棺に触られました。彼 はこれらの事を行なうよう求められはしませんでした。しかし、その状況を見て、 彼はその死んだ息子を復活させるという行動に着手されたのです。そこに居合わ せた人たちの大いに驚いたことに、主はご自身の人性の美徳にしたがってこの行 動に着手されたのです。何が彼を同情をもって動かしたのでしょうか? この理 由は、彼の人性の美徳でした。そのとき彼の人性の美徳の中で、彼の神聖な属性 は、その若者を死人の中から復活させることによって表現されたのです。 再びわたしたちは、主イエスが人性の美徳と神聖な属性で満ちておられるのを見 ます。死んだ息子を復活させ、彼をその母親に渡すことにおいて、わたしたちは 人性の美徳の中での人・救い主の神聖な属性の表現を見ます。主が棺に触ったと き、主は彼の同情、愛情、愛を示されました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 新約聖書の節は、回復訳新約聖書(1996年版)から引用されており、務めの言葉は、 ウイットネス・リー著「ライフスタディ・ルカの福音書(二)」(1987年版)メッセ ージ16から引用されています。いずれも日本福音書房から出版されています。