旧約エコノミーは終わった ――――――――――――――聖書の節(回復訳)―――――――――――― マタイ17:4 そこで、ペテロはイエスに答えて言った、「主よ、わたしたちがこ こにいるのは、すばらしいことです。お望みでしたら、わたしはここに天幕を三 つ造りましょう。一つはあなたのために、一つはモーセのために、一つはエリヤ のために」。(8節)彼らが目を上げると、イエスご自身のほか、だれも見えなかっ た。 ―――――――――――――――務めの言葉――――――――――――――― 時代の転換の問題について、ペテロの場合を考えてみましょう。変ぼうの山でペ テロは、「わたしはここに天幕を三つ造りましょう。一つはあなたのために、一 つはモーセのために、一つはエリヤのために」と、先走って主に提案をしました (4節)。「彼がまだ語っている間に、見よ、輝く雲が彼らを覆った。そして見よ、 雲の中から声があって言った、『これはわたしの子、愛する者、わたしは彼を喜 ぶ。彼に聞け!』」(5節)。弟子たちはこれを聞くと、顔を伏せました。彼らが 目を上げると、「イエスご自身のほか、だれも見えなかった」のです(8節)。モー セとエリヤは見えなくなっていました。そしてイエスだけが残っていました。ペ テロは、モーセとエリヤを保つこと、すなわち律法と預言者をキリストと共に保 つことを提案しました。しかし、神はモーセとエリヤを取り去り、「イエスご自 身のほか」残されませんでした。新約には、ただイエスご自身のほかにはだれ一 人としてとどまるべきではありません。彼は今日のモーセであり、命の律法を彼 の信者たちの中に分け与えられます。また彼は今日のエリヤであり、彼の信者た ちの内側で神のために語り、神を語り出します。これが神の新約エコノミーです。 マタイによる福音書第17章1節から8節には、イエスの到来をもって、モーセもエ リヤも終わったという事実についての明白な啓示があります。モーセとエリヤは 旧約全体を代表します。すなわち、モーセは律法を代表し、エリヤは預言者を代 表します。こういうわけで、モーセとエリヤが終わったという事実は、律法と預 言者で構成されている旧約全体が終わったということを示しています。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 新約聖書の節は、回復訳新約聖書(1996年版)から引用されており、務めの言葉は、 ウイットネス・リー著「ライフスタディ・使徒たちの行動(四)」(1989年版)メッ セージ59から引用されています。いずれも日本福音書房から出版されています。