団体的なわたし ――――――――――――――聖書の節(回復訳)―――――――――――― 使徒9:3 そしてサウロが出かけて、ダマスコに近づいた時、突然、天からの光 が彼の周りを照らした。(4節)すると彼は地に倒れ、「サウロ、サウロ、なぜわ たしを迫害するのか?」と言う声を聞いた。(5節)そこで彼は言った、「主よ、 あなたはどなたですか?」。すると主は言われた、「わたしはあなたが迫害して いるイエスである」。 ―――――――――――――――務めの言葉――――――――――――――― サウロは、イエスに従っている者たちだけを迫害していると思っていました。今 や、天から声が来て、天におられるこの方をサウロが迫害していることを、彼に 告げました。サウロの非常に驚いたことに、彼は天の光、天の声、天の方を経験 したのです。サウロは自分自身にこう言ったかもしれません、「わたしはイエス を迫害したことなど決してありません。そうではなく、わたしはステパノやイエ スに従う他の者たちを迫害したのです。わたしは、イエスは墓の中にいると思っ ていました。しかし、今や彼は天からわたしの所に来られるのです」。 第9章4節によれば、主イエスはサウロに、「なぜわたしを迫害するのか?」と問 われました。これは、一人の団体的なわたしであり、主なるイエスと彼のすべて の信者たちを含んでいます。サウロはこれらの人たち(イエスに従う人たち)を迫 害した時、イエスを迫害していたということを知りませんでした。というのは、 彼らはイエスにある彼らの信仰を通してイエスに結合されることによってイエス と一であったからです。彼は地上の人々を迫害していると考えており、天上のだ れかに触れているとは思いもしませんでした。彼がとても驚いたことに、天から の声が彼に、「わたしはあなたが迫害している者である」と告げました。そして、 その方の名はイエスでした。彼にとって、これは全宇宙における無比の啓示でし た! これにより彼は、主イエスと彼の信者たちがひとりの偉大な人、すばらし い「わたし」であることを見始めました。これは、彼を印象づけ、神の大いなる 奥義であるキリストと教会に関する彼の将来の務めに対して影響を及ぼし(エペ ソ5:32)、彼の唯一の務めのために堅固な土台を据えたに違いありません。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 新約聖書の節は、回復訳新約聖書(1996年版)から引用されており、務めの言葉は、 ウイットネス・リー著「ライフスタディ・使徒たちの行動(二)」(1988年版)メッ セージ25から引用されています。いずれも日本福音書房から出版されています。