キリストの証し人(1) ――――――――――――――聖書の節(回復訳)―――――――――――― 使徒1:6 共に集まった人たちは、イエスに尋ねて言った、「主よ、あなたがイ スラエルの王国を復興されるのは、この時ですか?」。(7節)イエスは彼らに言 われた、「父がご自分の権威によって定められた時や時期について、あなたがた は知らなくてもよい。(8節)しかし、聖霊があなたがたの上に臨む時、あなたが たは力を受ける。そしてエルサレムにおいても、ユダヤ全土とサマリヤにおいて も、また地の果てまでも、わたしの証し人となるであろう」。 ―――――――――――――――務めの言葉――――――――――――――― (全2編のうちの第1編) 使徒行伝第1章8節の「証し人」のギリシャ語は、文字どおりには「殉教者」を意 味します。証し人とは、復活し昇天したキリストの生ける証しを生活の中で担う 人たちです。彼らは、単に文字の教理を説教するだけの説教者たちとは違います。 受肉において、キリストはご自身の務めを地上で遂行されましたが、それは福音 書に記録されているように、ご自身を神の王国の種としてユダヤの地にのみまく ことでした。彼は昇天において、ご自身の務めを天で遂行されます。それは使徒 行伝に記録されているように、これらの証し人、殉教者たちを通して、彼の復活 の命の中で、彼の昇天の力と権威をもって、ご自身を神の王国の発展として、エ ルサレムから始まって地の果てに至るまで拡大されます。これは新約における彼 の務めの完成です。使徒行伝で使徒たちと弟子たちはみな、このような殉教者、 証し人でした。 8節で主は弟子たちに、聖霊が臨むのを待ち望み、それからエルサレムにおいて も、ユダヤ、サマリヤ、また地の果てまでも主の証し人となるべきことを示され ました。しかし弟子たちは、イスラエル、モーセ、律法を守ることについての伝 統的観念に占有されていました。ここで主は簡潔に、彼らが一大転換、すなわち、 経綸上の転換を必要とすることを告げておられたのです。 (明日に続く) ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 新約聖書の節は、回復訳新約聖書(1996年版)から引用されており、務めの言葉は、 ウイットネス・リー著「ライフスタディ・使徒たちの行動(一)」(1988年版)メッ セージ4から引用されています。いずれも日本福音書房から出版されています。