ベン・オニからベニヤミンへ ――――――――――――――聖書の節(回復訳)―――――――――――― 創世記35:18 彼女が死に臨み、そのたましいが離れ去ろうとするとき、彼女は その子の名をベン・オニと呼んだ。しかし、その子の父はベニヤミンと名づけた。 (19節)こうしてラケルは死んだ。彼女はエフラテ、今日のベツレヘムへの道に葬 られた。 使徒2:32 このイエスを、神は復活させました。わたしたちはみな、そのことの 証し人です。(33節)彼は神の右に引き上げられ……。 ―――――――――――――――務めの言葉――――――――――――――― ラケルの子供には二つの名が与えられました。一つは母からであり、一つは父か らです。ベン・オニとは「悲しみの子」を意味します。ラケルが彼にこの名をつ けたのは、彼女が苦しんでおり、悲しみの中にあったからです。しかし、ヤコブ は直ちに彼の名をベニヤミンに変えました。それは「右の手の子」を意味します。 この全宇宙には、悲しみの子と右の手の子の両方である唯一の方がおられます。 その方はキリストです。一方でキリストはベン・オニであり、もう一方で彼はベ ニヤミンです。キリストはこの二つの面を持つすばらしい方です。キリストほど 多くの悲しみを経験した人はいませんし、キリストほど高く上げられた人はいま せん。イザヤ書第53章3節は彼を「悲しみの人」として描写しており、使徒行伝 第2章33節は、彼が「神の右に引き上げられ」たと言っており、ヘブル人への手 紙第1章3節は、彼が「高き所の威光ある方の右に」座られたと言っています。 まず、イエスは悲しみの子、苦しみの子でした。ラケルはこの悲しみを経験した 唯一の人ではありませんでした。キリストの母マリヤもそれを経験しました。ル カによる福音書第2章35節によれば、彼女の子の苦しみによって、彼女の魂は刺 し通されました。しかし三十三年半の後、復活と昇天において、キリストは神の 右の手の子となられました。ですから、ベニヤミンが、苦難を受けて高く上げら れたキリストの予表であったことを、だれも否定することはできません。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 新約聖書の節は、回復訳新約聖書(1996年版)から引用されており、務めの言葉は、 ウイットネス・リー著「旧約ライフスタディ・創世記(五)」(1999年版)メッセー ジ第90編から引用されています。いずれも日本福音書房から出版されています。