福音の勝利 ――――――――――――――聖書の節(回復訳)―――――――――――― ピリピ4:21 キリスト・イエスにあるすべての聖徒によろしく。わたしと共にい る兄弟たちから、あなたがたによろしく。(22節)聖徒たち一同、特にカイザルの 家の人たちから、あなたがたによろしく。 ―――――――――――――――務めの言葉――――――――――――――― カイザルの家の人たちは、ネロの宮廷付きのすべての人たちを含みました。これ らの人たちのある者は、パウロとの接触を通して回心し、ローマにおけるキリス トを信じる者たちとなりました。「カイザルの家の人たち」という表現は、困惑 させるものでもあり、励ますものでもあります。それがだれを指していたものか 全く確かでないために、困惑させるものと言えます。それは福音の前進を見せて いるゆえに、励ますものと言えます。福音は皇帝ネロの家の人たちにまで広がっ たのでした。神のエコノミーにおける神の動きは、カイザルの家の人たちの何人 かをさえ獲得したのでした。 22節でパウロは、「王室の護衛」とは言っていません。「カイザルの家の人たち」 と言っているのです。家の人たちという言葉を彼が使っている以上、ネロの家族 の幾人かが実際に救われたのであると、わたしたちは信じます。何という驚くべ き勝利でしょう! これは、福音の前進と神のエコノミーのために地上での神の 動きの拡張となる交わりを持つことがどれほど価値あるものであるかを示します。 パウロがピリピ人に書く際に、熟慮して「カイザルの家の人たち」と言っている のは、意義深いことです。パウロはこれらの人たちと交わりを持っていました。 おそらくパウロは、自分はピリピの信者たちへも手紙を書いているところである と彼らに告げさえしたと、わたしは信じます。その時、それらの兄弟姉妹たちは、 ピリピにいる聖徒たちに自分たちのあいさつを伝えることをパウロに頼んだに違 いありません。これが、「聖徒たち一同、特にカイザルの家の人たちから、あな たがたによろしく」とパウロが言うことができた理由です。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 新約聖書の節は、回復訳新約聖書(1996年版)から引用されており、務めの言葉は、 ウイットネス・リー著「ライフスタディ・ピリピ人への手紙(三)」(1981年版)メ ッセージ31から引用されています。いずれも日本福音書房から出版されています。