秘訣を学ぶ(1) ――――――――――――――聖書の節(回復訳)―――――――――――― ピリピ4:11 わたしは乏しいから言うのではありません。というのは、わたしは どんな境遇でも、満ち足りることを学んだからです。(12節)わたしは卑しくなる 道を知り、また豊かになる道も知っています。あらゆる事において、またいっさ いの事柄において、わたしは飽くことにも飢えることにも、豊かであることにも 乏しくあることにも、秘訣を学びました。(13節)わたしは、わたしを力づけてく ださる方の中で、いっさいの事柄を行なうことができるのです。 ―――――――――――――――務めの言葉――――――――――――――― (全2編のうちの第1編) 物事を行なうことを人々に教える際、それが取るに足りない事柄であったとして も、わたしたちは彼らにその秘訣を教えます。これは、たとえば肉をバーベキュ ーで焼く技術をだれかに教える際にも言えることです。もしバーベキューの秘訣 を学んでいないなら、肉をだめにしてしまうでしょう。片面は焼きすぎるかもし れませんし、他の面は生であるかもしれません。同じように、わたしたちはピリ ピ人への手紙第4章に見いだされるキリストの中で満ち足りる秘訣を知らないか もしれません。わたしたちはピリピ人への手紙について大いに語り合うかもしれ ません。しかし、キリストを経験する秘訣を知らないかもしれません。わたしは 繰り返して言いますが、第4章でわたしたちはその秘訣と力とを持つのです。一 方においてパウロは言います、「わたしは秘訣を学びました」(12節)。他方にお いて彼は証しします、「わたしは、わたしを力づけてくださる方の中で、いっさ いの事柄を行なうことができるのです」(13節)。 「わたしは秘訣を学びました」という言葉は、「わたしは入門しました」を意味 するギリシャ語の解釈です。その比ゆは、人が秘密結社に入門して、基本原則を 教えられることを言います。パウロは秘訣を学んだだけではなく、入門しました。 そして、ある基本原則を学んだのでした。ギリシャ人の間には、多くの秘密結社 がありました。そのような結社の一員となる人は、その結社の基本的な原則を学 ばなければなりませんでした。他の人たちはその原則を彼に教え込むことによっ て、彼をその結社の中へと入門させなければなりませんでした。この比ゆを使う ことによってパウロは、教会はどちらかというと奥義的なものであって、ある基 本的な原則があることを言っているのでした。パウロはキリストに回心した後、 ある意味において教会生活の中へと入門しました。これが意味することは、彼が いかにキリストを享受すべきか、いかにキリストを命として取るべきか、いかに キリストを生きるべきか、いかにキリストを拡大すべきか、いかにキリストを獲 得すべきか、いかに教会生活をすべきかの秘訣を教え込まれたということです。 これらは教会生活の基本的な原則です。 (明日に続く) ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 新約聖書の節は、回復訳新約聖書(1996年版)から引用されており、務めの言葉は、 ウイットネス・リー著「ライフスタディ・ピリピ人への手紙(三)」(1981年版)メ ッセージ29から引用されています。いずれも日本福音書房から出版されています。