旧約の過越を新約で置き換える ――――――――――――――聖書の節(回復訳)―――――――――――― ルカ22:7 さて、過越の小羊がほふられる種なしパンの日が来た。(15節)イエス は彼らに言われた、「わたしは苦しみを受ける前に、あなたがたと一緒にこの過 越の食事をすることを切に望んでいた。(16節)わたしはあなたがたに言う。それ が神の王国で成就されるまで、わたしは決してこの食事をすることはしない」。 (19節)それから、イエスはパンを取って感謝をささげ、それをさいて彼らに与え、 言われた、「これは、あなたがたのために与えられるわたしの体である。わたし の記念にこれを行ないなさい」。(20節)彼らが食事をした後、杯も同じようにし て言われた、「この杯は、あなたがたのために注ぎ出される、わたしの血によっ て立てられた新しい契約である」。 ―――――――――――――――務めの言葉――――――――――――――― 第22章7節から23節において、人・救い主は旧約の過越に置き換わるものとして 彼の晩餐を設立されました。旧約において、過越は一つの大きな事柄、神の創造 にも等しく見なされ得る事柄でした。旧約においてわたしたちはまず神の創造の 記録を持ちます。それからわたしたちは、神によって創造された人が堕落し、つ いにはエジプトにまで下降したことを見ます。神がエジプトの束縛からその民を 救おうとされた時、過越の祭りを定められました。過越というのは、神の民が救 われ、失われていた彼らの権利へと連れ戻されることです。過越を守ることは千 五百年以上も続きました。それは出エジプト記第12章の時から、人・救い主が彼 の弟子たちと共に最後の過越を持たれたその夜まででした。 ルカによる福音書第22章7節から23節は、御言葉の中で一つの決定的に重要な個 所です。なぜなら、それは旧約の過越の終わりをしるし付けるからです。ここで わたしたちは、人・救い主が彼の晩餐、主の食卓を設立されて、旧約の過越に置 き換えられたことを見ます。このことからわたしたちは、主が彼の晩餐を設立さ れたその夜は、一つの移行の時であったことを見ます。旧約の過越から新約の主 の晩餐へと、一つの移行が起こりつつありました。これは極めて重要な事柄です。 ルカによる福音書第22章7節は、過越がほふられた日について語っています。ユ ダヤ人の暦は彼らの聖書に従っていましたが、それによると、一日は夕方をもっ て始まりました(創1:5)。最後の過越の日の夜に、人・救い主はまず彼の弟子た ちと共に過越の食事をされました。次に、彼らのために彼の晩餐を制定されまし た。それに続いて、彼は弟子たちと共にオリブ山のふもとのゲッセマネの園に行 かれました。そこで彼は捕らえられ、大祭司のもとに連れて行かれ、その夜遅く、 議会によって裁かれました。その同じ日の朝、彼はピラトに引き渡され、彼によ って裁かれ、死を宣告されました。それから彼はゴルゴタに連れていかれ、そこ で朝の第三時(今日の午前九時)に十字架につけられ、午後の第九時(今日の午後 三時)まで十字架につけられたままでした。それは過越の予表の成就のためでし た。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 新約聖書の節は、回復訳新約聖書(1996年版)から引用されており、務めの言葉は、 ウイットネス・リー著「ライフスタディ・ルカの福音書(四)」(1988年版)メッセ ージ49から引用されています。いずれも日本福音書房から出版されています。