主の同情、愛、願い、好みを知る ――――――――――――――聖書の節(回復訳)―――――――――――― ルカ10:42 しかし、無くてならないものは、ただ一つである。マリヤはその良 い分を選んだのだ。それを、彼女から取り上げてはならない。 マタイ26:12 彼女がこの香油をわたしの体に注ぎ出したのは、わたしの葬りのた めにしてくれたことだ。(13節)まことに、わたしはあなたがたに言う。この福音 が全世界のどこで宣べ伝えられても、この女の行なったことも、彼女の記念とし て語られる。 ―――――――――――――――務めの言葉――――――――――――――― 第10章25節から42節の二つの事例、すなわち主がご自身を良きサマリヤ人として 描写していることと、主がマルタによって受け入れられたこととは、関連があり ます。最初の事例は、わたしたちの救いのための、救い主の同情と愛とを見せて います。第二の事例は、わたしたちが主に奉仕するために、主の願いと好みとを 啓示しています。わたしたちは、この二つの面で主を知る必要があります。主の ために何かをする前に、わたしたちはまず、わたしたちの救いに関する主の同情 と愛、またわたしたちの奉仕に関する主の願いと好みとを知らなければなりませ ん。これは、わたしたちが自分の天然の人を十字架上にとどめておくことを示し ます。わたしたちは、救いのために何もする必要がありませんし、主の奉仕にお いて自分自身で何もするべきではありません。救いと奉仕の両面について、わた したちは十字架上にとどまっているべきです。そうすれば、わたしたちの救いの ための人・救い主の同情と愛を、またわたしたちの奉仕のための主の願いと好み とを知ることでしょう。 マリヤという名前は、ギリシャ語で「マリア」(Maria)であり、へブル語のミリ アム(Miriam)に相当し、それは「彼らの反逆」という意味です。しかしながら、 反逆的な人も従順な人となることができるのです。マリヤは反逆的な性質の人で した。しかし彼女は、主の同情と愛だけでなく、主の願いと好みにも服従する者 となりました。こういうわけで、新約聖書の中でマリヤは主の願いに極みまで触 れた唯一の人でした。こういうわけで、彼女は主に従う者たちにとって模範とし て述べられています。わたしたちはみな、主に従うことにおいて、また主に仕え ることにおいて、マリヤのようであるべきです。 わたしたちはマリヤを模範とする際、彼女がもともと反逆的であったことを覚え ている必要があります。人・救い主の同情とあわれみによって、彼女は従順な人 になりました。すなわち、自分の意見や努力によってではなく、主の願いと好み にしたがって、主を愛し主に仕える人となったのです。ここにわたしたちの救わ れる道と、わたしたちが主に仕える正しい道があります。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 新約聖書の節は、回復訳新約聖書(1996年版)から引用されており、務めの言葉は、 ウイットネス・リー著「ライフスタディ・ルカの福音書(二)」(1987年版)メッセ ージ26から引用されています。いずれも日本福音書房から出版されています。