地方教会の包括性 ――――――――――――――聖書の節(回復訳)―――――――――――― 使徒13:1 さて、アンテオケの地に在る教会には、バルナバ、ニゲルと呼ばれる シメオン、クレネ人ルキオ、領主ヘロデの乳兄弟マナエン、サウロなどの、預言 者たちと教える者たちがいた。 ―――――――――――――――務めの言葉――――――――――――――― エルサレムにおける百二十名をもってその流れが開始した時は、典型的なユダヤ 人たちだけがいました。しかし、第13章1節の記録によれば、アンテオケに在る教 会の預言者たちや教える者たちは様々な源から来ていました。バルナバはキプロ ス生まれのレビ人でした(4:36)。ニゲルという名は黒いという意味でニグロを示 しますが、彼はおそらくアフリカ生まれであったでしょう。クレネ人ルキオは北 アフリカのクレネの出身でした。マナエンはヘロデの乳兄弟で、ローマ人と政治 的な関係がありました。ですから、マナエンはヨーロッパ化されていたに違いあ りません。第13章1節のヘロデは、バプテスマのヨハネを殺害したヘロデでした。 バプテスマのヨハネを殺害した者の乳兄弟が、教会において指導的な機能を果た す肢体の一人になったというのは、主の主権あるみわざです。最後に、第13章1節 は、タルソ生まれのユダヤ人で、モーセの律法にしたがってガマリエルに教えら れたサウロを述べています(22:3)。 ここに記録された五人の預言者たちと教える者たちは、それぞれ異なる背景、教 育、身分を持つユダヤ人たちと異邦人たちから成っていました。これは、教会が その背景に関係なく、あらゆる人種と階級の人たちから構成されていること、そ してキリストのからだの肢体に与えられた霊的賜物と機能は彼らの天然の身分に 基づかないことを示しています。ここ第13章1節で、主は一つの模範を設定され ました。主の動きは、アンテオケから異邦人世界に届くために転機しました。そ して異邦人世界には多くの種類の人々、様々な文化、人種、身分の人々がいます。 こういうわけで、この転機のまさに始まりにおいてこの模範が確立したことは、 諸教会があらゆる人種と階級の人たちから構成されていることを示します。 ――――――――――――――――祈り――――――――――――――――― 主イエスよ、あなたがこんなにも多くの異なる背景を持つ人々を用いて教会を建 造しておられるとは、何と驚くべきことでしょう! 教会がいかなる天然の身分 によるのでもなく、あらゆる人種、階級の信者によって構成されていることを、 わたしは感謝します。アーメン。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 新約聖書の節は、回復訳新約聖書(1996年版)から引用されており、務めの言葉は、 ウイットネス・リー著「ライフスタディ・使徒たちの行動(二)」(1989年版)メッ セージ第35編から引用されています。いずれも日本福音書房から出版されていま す。